2021.9.1防音のしくみ・方法
ハニカム構造とは?ハニカム構造の特長や使用用途
企業として従業員に働く場を提供する場合、働きやすい環境を提供する努力が必要になります。
2019年より政府が進めている働き方改革では、国民のだれもが働きやすい職場作りを目標に掲げ、さまざまな取り組みを実施。
働きやすい環境のためには、就労時間や福利厚生、休暇の取りやすさなどのほかにも、気温や騒音、臭いなど、健康を害さない環境作りも意識しなければなりません。
この記事では、働きやすい労働環境とは、具体的にどのようなものなのか、また、どのように対策すればいいのかについて詳しく解説していきます。
働きやすい労働環境とは具体的にどのようなものなのか知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
ハニカム構造とは
「ハニカム構造」とは、正六角形および正六角形柱が隙間なく並んだ構造のことを指す言葉です。
ハニカムは英語で「honeycomb」と書き表され、「ミツバチの櫛(ハチの巣)」という意味を持ちます。
ハチの巣が正六角形の形をしていることから、このような名称で呼ばれています。
ハニカム構造は、軽いにも関わらず高い強度を誇るため、可能な限り構成に必要な材料が少なくできるという特長を生かして、さまざまな面で活用されています。
たとえば、過去にはペーパーハニカムコア(紙で作ったハニカムコア)が飛行機の機体の一部にも使用されていました。
ハニカム構造の特長
先ほど、ハニカム構造は「軽量で強度が高い」と紹介しました。
この章では、ハニカム構造の特長についてもう少し詳しく解説していきます。
特長①:高い強度と衝撃吸収性
正六角形のハニカム構造は、なぜ強度に優れているのでしょうか。
強度の高い構造体の生成には、軽くて薄い素材で作った頑丈な形を隙間なく並べること(平面充填)が重要です。 全て同じ形状で平面充填が可能な形は、三角形・四角形・六角形の3つしかありません。
3つの図形のうち強度が最も高いのは三角形で、反対に変形しやすいのは四角形です。
六角形は平面充填であれば、四角形よりは変形しにくいといわれています。
しかし、受けた衝撃を最も分散しやすい形という点では、六角形が秀でています。
これは、1つの方向から力を受けたとき、その衝撃は隣接する他の面に分散するからです。
三角形は2つの面に接しているのに対し、六角形は5つと接する面の数が多いため、その分衝撃吸収性に優れています。
特長②:軽量かつ丈夫
ハニカム構造は高い強度が長所であると同時に、軽量で丈夫ということも特長といえます。
ここでハチの巣を思い出してみましょう。
ハニカム構造の名称の元にもなった通り、ハチの巣は六角形を平面充填した構造になっています。
ハチの巣は、いくつもの六角形の部屋の中に蜂の子や蜂蜜などが入っていますが、これらが無い状態だと六角形柱のフレーム(枠)だけが残ることになりますよね。
ハニカム構造もハチの巣と同じく、フレームだけの状態でも構造が成立している状態です。
フレームだけの状態は空隙率が高く、そのぶん全体の容量を減らすことができるため、軽量化を図りたいときに向いています。
また、平面充填が可能な3つの図形の中で、外周がすべて同じ長さである場合に面積が最も大きくなるのは六角形です。
つまり、三角形と四角形よりも少ない個数もしくは最低限の材料で、必要とする面積を埋め尽くせるということ。 さらに、先ほども述べたように高い強度も誇ります。
このように、少ない素材で軽量化し、なおかつ強度も求める場合には、ハニカム構造が最適なのです。
ハニカム構造の使用用途
ハニカム構造を活用した製品には、さまざまなものがあります。
構造体そのものは「ハニカム」「ハニカムコア」と呼ばれる一方、ハニカムを芯にして表面板で挟み込んだものが製品に使われる機会が多いようです。
表面板は金属やアルミ、不織布、化粧板などさまざまなものと合成可能で、使用用途によって素材を替えることで、さらに機能性を高めることができます。
古くは飛行機の翼に使用されたこともありますが、他にも新幹線のドアや自動車の内装素材などに使われることもあるようです。
ここではハニカム構造の使用用途について、さらに掘り下げていきましょう。
使用用途①:建築分野
建築分野では、ハニカム構造は以下のようなものに使用されています。
建築分野におけるハニカム構造の主な使用用途
- ・作業用の足場
- ・建設資材
- ・ボックスやパレットなどの梱包資材
- ・外壁のパネル
- ・屋根
- ・床材
- ・玄関ドア
- ・屋外エレベーターの囲い
- ・キッチン台の天板
- ・テーブルの天板
- ・棚板
- ・タンス
- ・ディスプレイ
- ・看板
作業用の足場や建設資材、梱包資材にハニカム構造を活用することで、少ない力で運搬が可能なほか、衝撃吸収性に優れているため緩衝材としても利用されています。
外壁パネルや屋根、床材、玄関ドア、屋外エレベーターの設備といった建築物の建材にもハニカム構造を取り入れた例があり、軽量で設置作業がしやすくなる・加工が簡単といったメリットが生まれます。
さらに、普段の生活に身近なインテリアにもハニカム構造の利点は生かされています。
キッチンやテーブルの天板、棚板やタンスなどのほか、お店のディスプレイや看板など、什器や設備に使われることも。
このように、私たちの生活の至るところにハニカム構造は使用されているのです。
使用用途②:防音パネル
ハニカム構造を活用したパネルの中には、防音性に優れた製品もあります。
騒音は工場を運営していく上で切っても切り離せない問題です。
機械の動作や設備によって大きな音が出てしまうと、近隣への騒音対策をせねばなりません。
「工場の外側に防音壁を立てる」「工場の壁自体を厚くする」など、外部に対する騒音対策を実施している企業は多いですよね。
一方、工場内部の騒音対策も重要ですが、「どのようにしたら良いのかがわからない」「手が回らない」という企業も多く見受けられます。
こういった場合、機械の周囲に防音性に優れたパネルを設置し騒音を低減させることで、工場内の労働環境を改善することもできます。
なかでも、テクセルSAINTの防音パネルは、ヘルムホルツ共鳴の原理を生かした吸音効果・遮音効果に優れたハニカム構造のパネルです。
パネルの表面に小さな開孔部を設けることで、ヘルムホルツ共鳴により高い吸音性を発揮します。
さらに、ウレタンフォーム、グラスウールなどの多孔質系吸音材や空気層と組み合わせることで、更なる吸音効果も期待できます。
騒音対策でお悩みの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
ハニカム構造以外の防音効果のある素材
ハニカム構造以外にも防音効果のある素材はいくつもあります。
シーンに合わせて採用することで効果的に防音が行えます。
防音に使える素材を詳しく知りたい方は下記を参考になさってください。
オフィスで簡単に行える防音方法の紹介
ハニカム構造を用いた防音方法を上で紹介していますが、オフィスで簡単に行える騒音対策があります。
下記のリンク先では手軽に実施可能なオフィスの防音方法をまとめています。
ぜひこちらも合わせてご覧ください。
防音を行う上で重要な吸音と遮音の違い
防音は専門的な言葉がよく出てきますが、そのなかでも押さえておきたいキーワードが「吸音」と「遮音」の二つです。
目的によって有効な防音方法が変わるため、知識として持っておくことをおすすめします。
下記記事では、「吸音」と「遮音」の違いを紹介しています。
気になる方はご一読ください。
ハニカム構造の利点を上手に活用しよう
いかかでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、ハニカム構造の特長や使用されている製品がご理解いただけたと思います。
ハニカム構造は高い強度を誇りながらも、軽量で扱いやすい素材です。
導入を検討されている方は、紹介した事例なども参考にしてくださいね。
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