2022.3.27生活騒音対策
騒音の種類と効果的な防音対策|快適なリモートワーク環境の作り方
「リモートワークをはじめてから、騒音が気になるようになった」などと感じていませんか。
静かな環境で仕事をすることに慣れていると、隣家から漏れ聞こえてくる話し声や自宅の前に停まっている車のエンジン音が気になることもあるでしょう。
防音対策を講じて、快適な空間を確保したいと考えている方は多いはずです。
この記事では、防音対策を講じる前に理解しておきたい騒音の種類、日常生活で遭遇しやすい騒音の例、聞こえてくる音が気になるときに検討したい防音対策を紹介しています。
以下の情報を参考にすれば、悩まされている音に対してどのように解決すればよいかがわかるはずです。
騒音の影響を少しでも減らしたいと考えている方は参考にしてください。
騒音の種類
日常生活で問題になる騒音は、以下の2つに分かれます。
【騒音の種類】
- 空気音
- 固体音
それぞれの概要は次の通りです。
種類①:空気音
空気音は、空気を介して伝わる音です。
空気伝搬音などと呼ばれることもあります。
ポイントは、音の発生源が自宅の外部にあることです。
自宅の外で発生した何かしらの音が、空気を介し自宅の窓や壁を透過して室内へと伝わります。
基本的に、音の発生源と距離が近いと騒音は大きくなり、音の発生源と距離が遠いと聞こえてくる音は小さくなります。
また、合板などの軽量素材を壁に用いている住宅は、室内に空気音が伝わりやすい傾向があります。
もちろん、サッシの気密性も無関係ではありません。
代表的な空気音として、隣家で遊んでいる子どもの話し声や近所で飼っている犬の鳴き声などがあげられます。
日常的な騒音の中心は空気音といえるでしょう。
壁などで遮ると空気音として伝わる音は抑えられるため、この後に解説する固体音に比べると対策は容易とされています。
種類②:固体音
固体音は、壁や床、排水管などの固体が振動することで発生する音です。
固体伝搬音と呼ばれることもあります。
ポイントは、何かしらの原因で発生した振動が固体を介して自宅へ伝わり、最終的に壁や床などを震わせて音を発生させることです。
これが空気を介して耳へ伝わることで騒音と認識されます。
固体音の特徴は、自宅そのものが音の発生源になってしまうことと遠方の音でも伝わる恐れがあることです。
代表的な固体音として、工事現場で使用されている機械の音、同じ共同住宅内で発生したトイレの排水音(給排水騒音)、上階で走り回っている子どもの足音など(床衝撃音)があげられます。
また、ピアノやドラムなどは、空気音の発生源になるとともに固体音の発生源にもなります。
床との接地面から振動が伝わるからです。固体音は、空気音に比べて対策が難しいと考えられています。
気になる騒音にはどんなものがある?
リモートワークなどをしていると、さまざまな音に気が散ってしまうこともあるはずです。
代表的な騒音としては以下のものがあげられます。
【身近な騒音の例】
- 電車や車のエンジン音
- 人の声や動物の鳴き声
- 近隣住民の生活音
以下では、可能なものは騒音の大きさをデシベルで表現しています。
ちなみに、静かな住宅地において昼間に聞こえる音は40デシベルです。
これは、図書館の館内と同じくらいの静かさです。各騒音についてみていきましょう。
騒音①:電車や車のエンジン音
私たちを悩ます身近な騒音といえるのが、電車の走行音や車のエンジン音です。
「ガタンゴトン・ガタンゴトン」という電車の走行音や「ブーン」という車のエンジン音が邪魔になって仕事に集中できないことや安眠できないことがあるでしょう。
地下鉄構内で聞こえる音の大きさは100デシベル、走行中の電車内では80デシベル、高速走行中の車内では70デシベル [1]、車のアイドリングは63~75デシベル[2]が目安です。
室内にいる場合、電車や自動車から聞こえる音はこれより小さくなると考えられますが、線路や道路までの距離などによっては非常に不快に感じることがあります。
ちなみに、電車による騒音は主に固体音であるため対策は難しいといえます。
一方で、自動車による騒音は主に空気音であるため対策は簡単です。
騒音②:人や動物の声
隣家の話し声や近所で飼っているペットの鳴き声も、リモートワークなどの邪魔になることがあります。
基本的に、電車や自動車に比べると聞こえてくる音は小さいですが、注意をひきやすいためこれらよりも耳障りと感じるケースもあるでしょう。
普通の会話の音の大きさは60デシベル[1]、大声による会話は88~99デシベル[2]、犬の鳴き声は90デシベル[1]が目安です。
隣家の話し声やペットの鳴き声は、空気音に分類されます。
したがって、対策を講じることはそれほど難しくありません。
無音といえるレベルにすることは難しいですが、リモートワークなどで気にならないレベルまで引き下げることは可能です。
騒音③:近隣住民の生活音
近隣住民の生活音も、無視できない騒音のひとつです。
例えば、リモートワーク中に洗濯機を回す音が聞こえて気が散る、掃除機をかける音が聞こえて集中できない、深夜にお風呂の給排水音が聞こえて入眠できないなどが考えられます。
洗濯機による騒音は64~72デシベル、掃除機による騒音は60~76デシベル、お風呂の給排水音による騒音は57~75デシベルが目安です。
近隣住民の生活音は、空気音と固体音に分かれます。
洗濯機と掃除機は、空気音と固体音の両方が伝わります。
使用中に空気介して音が伝わるとともに床にも振動が伝わるからです。
いずれにせよ、空気音は対策を講じることで軽減できます。
具体的に、どのような対策を講じればよいでしょうか。
騒音への対処法
空気音に分類される騒音は、対策を講じることで大きく軽減できる可能性があります。
自宅で取り組める主な対策として以下のものがあげられます。
【自宅でできる騒音対策】
- 壁への防音
- 天井への防音
- 窓への防音
- 家具の配置換え
- フェンスの設置
各騒音対策について解説します。
対処法①:壁への防音
自宅外で発生した音の一部は、壁を透過して伝わります。
ただし、室内に伝わる音の大きさは建物で異なります。
壁の防音性は建物により異なるからです。
一般的には、鉄筋コンクリート造のマンションなどは壁の防音性が高い、木造のアパートなどは壁の防音性が低いと考えられています。
壁の防音性能が低い場合、遮音材や吸音材を用いることで騒音を小さくできる可能性があります。
遮音は空気を伝わる音を遮ること、吸音は音の反射を小さくすることです。
例えば、遮音材や吸音材を使用したパーテーションの設置などが考えられます。
対処法②:天井への防音
騒音は、天井から伝わることもあります。
代表的な騒音といえるのが、子どもの足音や家具を引きずる音、モノを落とす音などです。
これらの音は、二重天井で問題になりやすいといえます。
一般的に有効な防音対策と考えられている二重天井ですが、一定の周波数帯において遮音性は低下することがあります。
天井裏にできた空間で音が共振して天井ボードなどを震わせることがあるからです(太鼓現象)。
この問題は、吸音材を用いて軽減できる可能性があります。
遮音だけに注目しないことが重要です。
対処法③:窓への防音
窓も騒音の主な侵入経路です。
壁の遮音性が高い鉄筋コンクリート造のマンションなどではこの傾向が強くなります。
外部で発生した音は、主にサッシの隙間から室内へと伝わります。
したがって、窓の防音性は、サッシにより大きく異なります。
防音性が低いサッシに、防音性が高いガラスを入れても大きな効果は期待できません。
具体的な防音対策としては、防音サッシに交換する、既存の窓の内側にもう一つ窓を取り付ける(二重窓)などが考えられます。
いずれにせよ、リフォーム工事が必要になる点に注意が必要です。
対処法④:家具の配置替え
家具の配置を変えることでも、騒音を軽減できる可能性があります。
家具が部屋に侵入した音を吸収してくれるからです。
一般的には、背の高い家具を音が侵入してくる側の壁面に設置することがすすめられています。
できるだけ費用をかけずに対策を行いたい場合は、試してみるとよいでしょう。
自宅でできる騒音対策を検討している方は、ハニカム防音パネル・テクセルSAINTを用いたREMUTEの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
テクセルSAINTの特徴は、軽量かつ高強度で中音域以上の吸音に優れていることです。
軽量でありながら高い遮音効果を発揮する点も見逃せません。
REMUTEには、背面パネルなどとして利用できる吸音パーテーション、デスクに置くだけで自分だけの吸音スペースを作れるデスクブース、卓上吸音ボックスなどが用意されています。
吸音を主な機能とするため、周囲を完全に囲えなくても防音効果を期待できる点がポイントです。
天井や窓の工事が難しくても、快適なワークスペースを作れる可能性があります。
対処法⑤:フェンスの設置
騒音が気になる場合は、敷地を防音フェンスで囲んでもよいでしょう。
防音フェンスの主な機能は、遮音と吸音にわかれます。
騒音を減らしたい場合は、吸音をメインとする防音フェンスが効果的と考えられています。
家全体を静かな環境にできるため魅力的ですが、費用は一般的なフェンスよりも高額です。
また、クローズドな空間になるため、自宅の印象も変わる恐れがあります。
メリット・デメリットを踏まえたうえで検討を進めましょう。
防音室の設置も効果的
防音室の設置により、騒音は大きく軽減されるでしょう。
しかし、防音室を設置するとなるとどのような種類を選べばよいかわからない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方必見。こちらの記事では、防音室の種類とそれぞれのメリット・デメリットなどを解説しています。
気になる方はぜひご参照ください。
自宅の騒音対策はREMUTEを活用
いかがでしたでしょうか?
今回は自宅の騒音対策について解説しました。
リモートワークを始めてから騒音が気になる方は、REMUTEのデスクブースをはじめとする騒音対策アイテムを活用するとよいでしょう。
騒音が空気音であれば、大きく軽減できる可能性があります。
[1]出典:深谷市「騒音の大きさの目安」
[2]出典:東京都環境局「生活騒音」
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