2021.9.1

モーターによる騒音とその対策|モーターの概要もおさらい

私たちの生活や仕事現場に欠かせない装置、モーター。

多くの機械に組み込まれているものだからこそ、その騒音に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

そんなモーターに関する騒音に悩む方のため、この記事ではモーターについての基礎知識をおさらいした後、モーターの騒音の内容とその対策のポイントについて解説していきます。

身近な存在であるが故に意外と知らなかったモーターのことを、今一度学んでみましょう。

モーターについて知ることで、原因がわからなかった騒音を解決する糸口が見つかるかもしれませんから、参考にしてぜひ騒音対策に役立ててください。

 

 

目次

 

 

モーターとは

 

モーターは、電気エネルギーを回転する力に変化させる装置で、1831年に現在のモーターの原型となる論文が発表されました。

磁石と電磁石の力を利用することによって軸を中心に回転し、この回転によってさまざまな機械を動かします。

ゲーム機やプリンター、ドライヤー、シェーバーといった家庭で使われるものから、自動車、電車、エレベーターなどの乗り物、そして工場の装置など幅広い機械に使われています。

日本で発電される電力のうち60%以上が使用されているほど、モーターは多くの機械に組み込まれている、私たちの生活に欠かせない装置なのです。

また、モーターを駆動電源によって分類すると、大きく分けてDC(直流)モーターとAC(交流)モーターがあります。

 

DCモーターは、起動トルクが大きく、高速回転が可能です。

さまざまな形状のものがあり、空調機器や換気システム、自動車など幅広く用いられています。

また、DCモーターにも、ブラシ付きとブラシレスのものがあります。

ブラシ付きDCモーターは、軸(回転子)が半回転するごとに電流の向きを反転させ、モーターの軸が一定方向に継続して回す仕組みです。

電流の向きを切り替えるために、整流子とブラシを用いています。

しかし、整流子にブラシが接触しているため、騒音やノイズの発生原因ともなってしまいます。

ブラシレスDCモーターの場合、永久磁石が回転子となっており、ブラシがありません。

そのため、ブラシ付きDCモーターと比べると振動や騒音の軽減につながるでしょう。

 

ACモーターは、トルクや回転数の細かい制御が可能です。

ACモーターの中でも、同期モーターや誘導モーター、整流子型モーターに分類できます。

産業用の送風機やポンプなどのほか、身近な物としては掃除機や電動工具、洗濯機、複写機などで使用されています。

 

モーター音はなぜ騒音になってしまうのか?

 

先述した通り、モーターはさまざまな機械に組み込まれています。

機械の数が増えるのに比例して、音が重なって大きくなり、騒音となってしまうでしょう。

 

加えて、機械が動いている間はモーターからも音が発生し続けます。

住宅地の近くにある工場や、深夜まで稼働している場合は、モーターの音が騒音問題に繋がってしまうこと考えられます。

騒音規制法では、騒音の大きさや稼働している時間によって、工場の立地条件で騒音値の範囲が定められています。

範囲を超えてしまう場合には、具体的な騒音対策が必要となるのです。

 

また、モーターの異常時にも異音が発生します。

原因は、異物の混入や潤滑剤不足、傷や変形などさまざまです。

異音の聞こえ方は原因によって違いがあります。

例えば、「カンカン」と金属が衝突するような音、「ビシビシ」と不規則にきしむ音などが挙げられます。

異音をそのままにしておくと騒音となってしまうばかりか、モーターの故障に繋がる恐れもあるでしょう。

 

 

モーターの騒音問題

 

モーターの騒音には3つの分類があります。

 

モーターの騒音の分類

  • ・電磁騒音
  • ・通風騒音
  • ・機械騒音

 

まず電磁騒音は、モーター内のステータ(固定子)の鉄心が電磁力によって振動してフレームから出る騒音で、耳障りな音に聞こえる傾向があります。

次に通風騒音は、モーターを冷却するファンの風による騒音のことを指します。

モーターの騒音の中でもボリュームの大きい音に分類されるので、通風騒音への対策は重要です。

最後に機械騒音は、モーターの中でも大切なパーツであるベアリング(軸受)の振動による騒音です。

ベアリングの振動はフレームの振動にもつながり、騒音を増大させることもあります。

では、こういった騒音にはどのような対策をすればいいのでしょうか?

次で解説します。

 

モーターの騒音対策のポイント

 

電磁騒音には、ステータの固有振動数と電磁力の周波数を不一致にすることが有効です。

電磁力の振動が増えることによって騒音は大きくなりますから、ステータの固有振動数を高い精度で予想することができれば、効率よく騒音を抑えることができます。

通風騒音では、ファンをいくつか使用するモーターの場合、最も大きい騒音のファンに対していかに対策をするかが重要なポイントです。

そして機械騒音では、どのように騒音が発生しているかをしっかりと理解し、正しい診断をした上で保守する必要があります。

 

設計時に予測し、低振動・低騒音のモーターを使用することもできますが、多くは設計段階では予測できないもの。

騒音が発生してからの対策を過去の事例から導きだすことも可能ですが、専門業者による対策もおすすめです。

とある精密機械メーカーでは、騒音対策パネルとウレタンフォームを使用した専門業者の施工により、13デシベルの防音効果が出ました。

施工後は耳当て必須だった作業に耳当てが不要となり、会話がままならない場所でも話せるようになるなど、目に見えて変化があったとのことです。

 

モーターの騒音対策は専門業者に任せよう

 

今回は、モーターの騒音対策について解説してきました。

自社にとって、対策が必要か判断する材料となりましたでしょうか?

自社で出来る範囲の対策で満足いく結果が出なかった場合は、1度専門業者に任せてみましょう。

 

岐阜プラスチック工業では、工場やオフィスでの騒音対策をお考えの方のニーズに合わせた最適なご提案をしております。
4,000例以上の騒音対策実績をもとに、現地調査~防音デモ~設計~確実な施工まで一貫して対応いたしますのでぜひご相談ください!

 

“ブロワ・モーター系の騒音対策事例”こちら

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