2021.7.16

騒音対策で工場は何を行う?具体策やルール、クレームの対処法まとめ

騒音対策は、企業が工場を運営していく上で切り離せないテーマです。
近隣への騒音対策には、まず自社工場から生じる騒音が法律上の決まりの内に収まっていなければいけません。
また、働き方改革が注目される昨今では、工場の外だけでなく、工場内で勤務する人を守るための騒音対策も求められています。
工場内の騒音対策をすることで、作業能率の向上や騒音によって引き起こされる騒音性難聴などの騒音障害を防ぐことが可能です。
今回は、騒音対策を考えている企業の方に向けて、守るべき法律上の決まりや、工場の騒音対策の内容、クレーム対応などを説明していきます。
騒音対策を行った上で工場を運営することは、工場内外への忘れてはならない配慮であり、ひいては企業価値の高まりにも繋がっていきます。

 

 

騒音の規制基準とは

騒音問題の規制基準は、国や自治体による法律と条例で決められています。
騒音対策を運営する工場で行う場合には、まず自社が守るべき指標を確認しましょう。

 

環境基準

環境基本法に基づいた、政府が定める行政上の目標です。
基準値は、40デシベル以下〜60デシベル以下までの間で、地域や時間帯によって分かれており、都道府県知事(区域により市長)が指定します。
地域の類型には、周辺に社会福祉施設などが集中している静穏が必要な地域、住宅街、住宅と工業や商業がどちらもある地域の大きく3つに分けられます。
時間の区分は、昼間が6時〜22時、夜間は22時〜6時までの間です。

 

騒音規制法

生活環境を保全し、国民の健康の保護をするために制定された、環境省所轄の法律です。
騒音を規制する地域は、都道府県知事によって指定され、決められた地域内において作業時に激しい騒音を発する機械などを使用する施設がある工場や事業所が規制の対象です。
基準値の区分は、環境基準よりも細かく、40デシベル以下〜70デシベル以下の間で時間帯や地域によって分けられています。
時間帯の区分は、朝、昼間、夕、夜間の4つです。
区域に関しては、以下の4種類に分けられます。

基準値の区分

  • 第1種区域・・・良好な住居の環境保全、静穏を要する地域
  • 第2種区域・・・住宅地のために用いる静穏を要する地域
  • 第3種区域・・・住宅地と商業、工業等が供されている地域(住民の環境を守るために、騒音の防止を行う必要がある)
  • 第4種区域・・・主に工業等に使用されている地域(地域内に住む住民の生活環境を守るために、著しい騒音の防止を行う必要がある)

基準値が守られなかった場合には、必要に応じて市町村長から改善勧告等が行われます。

 

騒音障害防止のためのガイドライン

平成4年に厚生労働省が策定した、「騒音障害防止のためのガイドライン」では、事業者が騒音障害から自社の工場内で働く人を守る対策を推進しています。
コンスタントな騒音測定の実施や工場内で働く人の定期健康診断、事業者の管理区分が明示され、騒音が想定される工場内での職場環境の改善に役立てることが可能です。

 

 

工場の騒音対策

ここでは、工場で行える騒音対策を詳しく紹介していきます。

 

騒音測定

騒音対策は、自社工場から生じる騒音を数値的に認識することから始まります。
騒音の周波数は、広がりが大きいため、調べる場所を絞らず広く騒音測定することが大切です。
人が敏感に感じる音域は、約500ヘルツ〜4,000ヘルツの中音域といわれており、中音域をいかに減らせるかが騒音対策の鍵となります。

 

防音材の導入

工場内や機械周辺に防音材を使うことで、騒音を減らすことが可能です。
ここではそれぞれの防音材について説明していきます。

 

遮音材について

遮音とは、空気中に伝わる音を遮断して外部へ音を通さない方法です。
音を断つことで、音の跳ね返りが生まれるため、屋内に音が反響するデメリットがあります。
代表的な遮音材は以下の通りです。
代表的な遮音材

  • コンクリート
  • 鉄板
  • 石膏ボード
  • 合板

質量が重いことや、密度が高いことに比例して遮断性は高くなります。

 

吸音材について

吸音は、音を吸収して反射させず、外部への音の通りを防ぐとともに、室内における音の反響を抑える方法です。
代表的な吸音材は以下の通りです。
代表的な吸音材

  • 多孔質吸音材・・・1,000ヘルツ以上の高音域の吸収に優れ、ポリウレタンなどの質量の軽い化学繊維から作られる
  • ヘルムホルツ共鳴型・・・音響施設でよく用いられる有孔ボードタイプや、ハニカム構造体など表面に無数の小さく細かい穴を空けた製品
  •  

制振材について

機械の振動音を熱エネルギーに変化させて音を抑えます。
代表的な制振材は以下の通りです。
代表的な制振材

  • メルシート・・・車のフロアパネルなどに使われており、パネル形状の製品
  • NTダンピングコート・・・塗布型の制振材であり、形状が複雑な物の制振にも効果が発揮できる
  •  

音源対策

音の発生元となる機械や工具の再確認も、騒音対策に繋がります。
音源対策具体例

  • 低騒音の機械、工具の利用する
  • 機械の給油や部品交換をする
  • 作業台や機械にゴム性の敷物をして振動による騒音を防ぐ
  •  

作業時間帯と作業中の窓閉め

早朝や深夜に騒音が生じる機械の使用を控えることも、騒音を対策することに繋がります。
また、窓を閉めるだけでも防音の効き目が期待できるため、作業中の窓閉めも意識してみましょう。

 

 

工場に騒音クレームがきたときの対処法

環境省による平成28年度の騒音規制法施行状況調査では、工場や事業場の騒音に関する地方公共団体へのクレームの数は全体の28.0%を占め、2番目に多いのが現状です。
クレームを受けて、改善が見られない場合には、公害調停や民事訴訟で賠償請求となる可能性もあるため、迅速に対処しましょう。

 

自治体の騒音調査への協力

自治体を通して周辺住民からクレームを受けた場合には、自社工場から出る騒音が法律上の決まりに則っているか、数日に渡り立ち入り調査が行われます。
調査期間中は、通常通りに工場の運営をすることが困難となりますが、協力に応じなければ調査日数が延長されることもあるため、率先して協力することが大切です。
法律上の問題が確認された際には、必要に応じた改善勧告や改善命令が出されることもあるため迅速に対応しましょう。

 

クレームの原因究明と改善を行う

騒音対策を実施している工場であり、生じている騒音が決められたルール内に抑えられていても、近隣からのクレームを受ける場合があります。
ルールに則り運営をしていても、クレームをスルーせず対応することがトラブル回避に繋がります。
機械から生じる低周波、工場で働く人の話し声や施設内の車両の行き交う音など対策済みの機械の騒音以外の再確認も騒音対策になります。

 

企業として誠意ある対応をする

近隣住民からの理解を得ずして、工場の運営を行うことは不可能です。
近隣住民の不満や反感が、反対デモや裁判にまで発展することもあります。
クレーム対応を行わないことは、自社のイメージダウンのみならず、工場に製造を依頼するクライアントへも影響が及びます。
莫大な金額の慰謝料や取引停止、設備投資に迫られる可能性があるため、迅速にクレームに対処することが重要です。
近隣住民から容認してもらえるように、説明会を行う、防音施工を検討するなど、誠意を持って対応に当たりましょう。

 

 

工場の騒音対策をしっかりして働きやすい環境を作りましょう

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで騒音対策の重要性がご理解いただけたと思います。
騒音対策を行う工場では、騒音を法律上の決まりの中に収めることが必要です。
騒音から近隣住民や工場内で勤務する人を守ることで、企業価値の向上にも繋がります。

工場の防音対策・防音パネルをご検討の方は、岐阜プラスチックのテクセルセイントへぜひお気軽にご相談ください!

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TECCELL事業部営業部(代表)