2021.7.16防音のしくみ・方法
防音施工の方法と効果|自社にあった防音施工を選ぼう
騒音は、工場を稼働する上で切っても切れない問題です。
環境省による騒音に対するクレームは、2018年に16,165件と前年より約50件増加しました。
統計を始めた1972年の23,931件のクレーム数からは減少していますが、直近10年間は約16,000件と、横ばいの数字で推移しています。
その内訳は工場や建設作業、事業場に対するクレームが6割と、工場が抱える問題は少なくありません。
工場は場所ごとに決められている騒音規制基準を知っておくことが大事です。
騒音は近所への影響だけでなく、従業員にも心身ともにストレスを与える可能性もあります。
もはや工場の防音施工は必要不可欠と言えるでしょう。
今回は防音施工の方法と効果について説明していきます。
工場やリサイクルの機械による騒音を改善したいと思っている方はぜひ一読ください。
防音施工の方法
防音施工はどのように行うのでしょうか。
防音施工をするにあたってまず場所ごとに決められている騒音規制基準を知っておくことが大事なポイントです。
地方自治体によって場所での基準の違いは出てきますが、近くに図書館や学校、住宅地がある場合の基準はより厳しいものになります。
また機械から漏れ出る低周波による健康被害についてもクレームが出ているので、工場へのクレームは騒音だけではありません。
ここでは防音施工の方法を説明していきます。
方法①:防音材を使用する
防音材は、「吸音材・遮音材・防振材・制振材」の4つの種類があります。
防音材にはそれぞれ独自の性質があるので、改善したい騒音の性質に合わせて選びましょう。
吸音材とは
空気中に伝わる音波の振動を熱エネルギーに変化させて音を減退させる材質のことです。
その音だけではなく、残った不快な反響音までも吸収してくれます。
また残響時間を調整することにも効果を発揮する、防音対策には必要不可欠な材質です。
ここではおすすめの吸音材について説明していきます。
<多孔質系の材質>
穴がたくさん空いている多孔質な吸音材を使用すると、音が入射したときに細かい振動によって音が吸音されます。
コストパフォーマンスに優れているウレタンスポンジなどが、幅広い用途で人気です。
<振動板系の材質>
薄い紙や板に音がぶつかったときに起こる振動で生じた振動エネルギーで、音を減退させていくメカニズムを活用します。
膜状のシートやフィルムなどを使って振動を吸収させます。
<共鳴型系の材質>
吸音ボードなどの後ろに吸音層を配置することで、周波数を減退するメカニズムです。
ヘルムホルツ共鳴器の原理を活用します。
有効ボードやパンチングメタルなどが共鳴型の材質の一例です。
遮音材とは
空気中を伝搬する音波を遮って、外部に音を透過させないように跳ね返らせて遮断する材質です。
鉄板やコンクリートなど、質量や面密度が高ければ高いほど性能が高くなります。
防振材・制振材とは
防振材とは衝撃を吸収して音が振動しないようにする働きを持った材質で、制振材とは揺れを抑制して共振を減少させる材質です。
ゴム製のマットなどがあり、防振材も制振材も同じような性質を持っています。
方法②:工場内の吸音工事を行う
工場内部が反射性の材質で作られている場合は音が響きます。
建物全体の防音施工を検討しているのならば、天井や壁の材質を吸音性の高い材質に変えましょう。
方法③:防音壁を建てる
防音壁を建てて減退効果を狙った方法です。
近隣の建物との間に防音壁を建てると最大25dbもの騒音が減るとも言われています。
また近隣の建物との間に空間がない場合は、建物内に壁を建てて音を吸収する方法も有益です。
方法④:防音室の導入する
騒音の元となっている機械がわかっているなら、その機械の周りに組み立て式の防音室を配置することをおすすめします。
大規模な工事にならず、製造ラインにも影響が出にくいメリットがあります。
これ以外にも、工場の窓を二重窓にするなどの対策を加えて行うのもおすすめです。
組み立て式の防音室や防音パネルの設置までの流れの一例を説明します。
設置までの流れの一例
- 1.対象機器の騒音測定とレイアウトの相談
- 2.見積もりと構造イメージの提案
- 3.デモンストレーション
- 4.正式な見積額の提示
- 5.注文
- 6.納品
初めに対象機器の騒音レベルを測り、どのようにして設置するのかを相談する。
構造イメージを提案してもらい、概算の見積もりを出してもらう。
業者によっては、簡易設置によるデモンストレーションも可能な場合も。
防音施工の効果
防音施工の効果を、防音施工方法別に説明していきます。
吸音と遮音の組み合わせが騒音対策において、効果を発揮する鍵となります。
防音室の導入の効果
防音室を導入することで騒音の元を押さえることが可能です。
建物の外へ出る騒音や建物内の騒音のレベルが下がり、従業員の作業環境の改善にもなります。
組み立て式の防音室なら、海外への輸出にも対応でき、工場のラインが変わってもすぐに対応することができるというメリットがあります。
防音壁導入の効果
防音壁の効果は、防音壁を回ってくる回折音と直接壁を透過する直接音の合成レベルで判断します。
防音壁の効果を高めるには、回折の距離を伸ばすため防音壁を高くすることと、防音壁の内側の性能を上げることが大事です。
できるだけ音源に近い場所に防音壁を配置することも大事なポイントです。
工場内の吸音工事の効果
工場内の天井や壁の吸音工事は、直接音を減退させる工事ではありません。
壁や天井の反響音を減退させることに効果的な工事です。
高音域は比較的薄い素材で吸音できますが、低音域の吸音は空気層の空間の確保が必要となります。
窓の防音リフォームの効果
窓を二重窓にする方法です。
外側の窓と内側の窓の空間がクッションの役割を果たし、防音効果を発揮します。
そもそも窓ガラスを複層ガラスや防音ガラスに変えるという方法もあります。
二重窓より効果は劣りますが、二重窓と併用するとより高い効果を期待できるでしょう。
防音施工の費用
防音施工の費用について見ていきましょう。
費用を検討する前にまず、どのような目的で防音施工するのかが大事なポイントになります。
工場の防音施工の場合は、漏れる音によって防音施工の費用が変化します。
金属を叩いたような音なのか空気が漏れるような音なのかによって、施す防音施工が違うでしょう。
防音施工の費用の例をいくつか説明していくので参考にしてみてください。
防音室の導入の費用
建物内の部屋自体を防音仕様にリフォームするのであれば、約230万〜400万円かかると言われています。
しかし組み立て式の防音室の配置では約50万〜250万円に押さえる事が可能です。
防音壁のリフォーム費用
壁の内側に防音材を入れる施工ですと、約12万〜15万円と言われています。
また、換気口があると音が出て行ってしまうので、換気口を防音仕様に変えるのも効果的です。
費用の相場は約7千〜5万円となっています。
窓のリフォーム費用
窓の防音リフォームは二重窓の取り付けの場合、約8万〜15万円、防音ガラスに取り替えると、約5万〜15万円と言われています。
必要な効果に合った防音対策をしましょう
今回は、防音施工について説明してきました。
自社にとって防音施工が必要か判断する材料となりましたでしょうか?
騒音は近所にとってだけでなく、大事な従業員にとってもダメージとなります。
防音施工を考えている方は、欲しい効果にあった防音対策をすることをおすすめします。
岐阜プラスチック工業では、工場やオフィスでの騒音対策をお考えの方のニーズに合わせた最適なご提案をしております。
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