2021.12.28オフィス騒音対策
オフィスの防音対策は重要!音漏れの原因と具体的な対策
たくさんの人が過ごすオフィスでスムーズに業務をすすめるためには、防音対策は大切です。
オフィスに適した防音対策を行っていないと、業務を行うときに外部から聞こえる音が気になったり、会議室からの音漏れがあったりなど、さまざまなトラブルにつながることがあります。
本記事では、オフィスの防音対策の必要性をはじめ、音漏れの原因や具体的な防音対策の方法などについてまとめています。
「守秘義務が強く、センシティブな内容のある仕事のため、音漏れを気にしている」「オフィスの防音対策に有効的な方法はないか」など、オフィスの防音対策を検討している方は、参考としてご一読ください。
目次
オフィスの防音対策が必要な理由
オフィスの防音対策が求められる理由は以下の3つです。
理由1. 騒音対策|外部からの音をシャットアウトするため
外部からの音をシャットアウトする騒音対策も、オフィスの防音対策のひとつです。
たとえば、工場や車の往来などの騒音がオフィス内にまで聞こえるとしましょう。
騒音によって、社内でのコミュニケーションが思うようにとれないことがあります。
また、自分の業務に集中しづらくなり、作業の効率が下がるケースもでてくるのです。
騒音によるストレスを防ぐことは、オフィスで働くスタッフのメンタルや体調を守ることにもつながります。
理由2. 音漏れ対策|自社の情報漏えいを防ぐため
オフィスでは、ビジネスについて重要な会話や、機密情報、個人情報を取り扱うことがあります。
たとえば、雑居ビルの一部やフロアを借りてオフィスとしている場合、機密性の高い情報が音漏れによって外部に漏れてしまうこともあるのです。
気づかないうちに社外へ情報が漏えいしないためにも、オフィスの防音対策は重要となります。
理由3. 反響対策|web会議をスムーズに進めるため
オフィスのつくりによっては、室内で発生した音が、エコーのように反響し、ほかの会話や音と干渉することで聞こえづらくなる現象が起きるケースがあります。
また、リモートワークやweb会議を行うときなどに、音が過剰に反響するハウリングが起きることも可能性としてはあるでしょう。
オフィスの防音対策を行うことでハウリングを防ぎ、円滑なコミュニケーションにつなげることが期待されます。
オフィスから音漏れが起こる原因
オフィスから音漏れが起こる場合に考えられる音漏れの種類は、3種類あります。
音漏れの原因1. スキマ
1つめは、窓やドアなどのスキマからの音漏れです。
そのほかにも、OAフロアの床下や天井裏、気づきにくいところでエアコンや換気扇の通気口などが挙げられます。
どのケースも空間に仕切りがないために、音漏れが起こるのです。
空気中で発生した音が、空気の振動として伝わることを、「空気伝搬音(くうきでんぱんおん)」と呼びます。
「空気伝搬音」は、音源からの距離が遠くなるほど、音が小さくなります。
また、防音壁などの上部から音が回り込みながら、小さくなる性質をもつのが特徴的です。
音漏れの原因2. 音の振動
2つめは、床や天井など、構造物を伝搬する音漏れです。
床を歩く音や、ドアの開閉音、ものの落下音、エレベーターやポンプなど機械類の稼働音などが挙げられ、これらは「固体伝搬音(こたいでんぱんおん)」と呼ばれています。
「固体伝搬音」とは、衝撃によって発生した振動が構造物の中を伝わって振動することで、空気中に放射される音のことです。
「固体伝搬音」は、伝搬経路が複雑であることから音が小さくなりにくく、一般的に空気伝搬音よりもコントロールがむずかしいといわれています。
音漏れの原因3. 音の通過
素材の密度や重さによっては、音が通り抜けてしまうことがあります。
たとえば、コンクリートのような重たい素材は音漏れがしづらく、反対に、カーテンのような軽い素材は音漏れをおこしやすいのです。
音の通過レベルを求めるものに、質量則(しつりょうそく)というものがあります。
質量則は、壁の単位面積あたりの質量が大きいほど、もしくは高い周波数の音ほど、透過損失(とうかそんしつ)が大きいとされています。
透過損失が大きいとは、つまり、遮音効果が高いということです。
オフィスに防音対策を取り入れるメリット
オフィスに防音対策を取り入れるメリットは、以下の3つです。
メリット1. 集中力を維持させる
自分の業務に関係のない会話が聞こえたり、外部の騒音が耳ざわりだったりする場合、スムーズに業務を進めることは困難です。
オフィスに防音対策を取り入れることで、外部からの音をシャットアウトできるため、業務に対する集中力のアップにつながります。
執務スペースの防音対策も行うことで、生産性の向上も期待できるでしょう。
メリット2. プライバシーを守れる
企業によっては、プライバシーを守る必要性があります。
たとえば、医療機関や金融機関、法律事務所などプライバシーにかかわる情報を取り扱う企業です。
プライバシーを守ることが企業の信頼にもつながるため、オフィスの防音対策は重要事項のひとつともいえます。
メリット3. 情報漏えいのリスクを防げる
会議室や役員室では、企業の機密情報を話し合うこともあるでしょう。
また、オフィスで働くスタッフが重要な情報と認識していないことも、他社にとっては有益な情報であるケースも少なくありません。
会議室での会話をはじめ、個人情報や機密情報の漏えいを防ぐためにも、オフィスの防音対策は重要です。
企業のセキュリティ対策のひとつとして、オフィスの防音対策は欠かせません。
オフィスで防音対策を行うべきスペース
オフィスの防音対策の必要性やメリットをご理解いただけたと思います。
しかしながら、費用面からオフィスすべてに防音対策を行うのがむずかしいこともあるでしょう。
それでは、優先的に防音性をあげるべきスペースはどこになるのでしょうか。
オフィスで防音対策を行うべきスペースを4つ、ご紹介します。
防音対策すべきスペース1. 役員室
役員室は、企業にとって重要な会話を行う機会が多いスペースです。
機密性の高い情報が行きかうため、外部への音漏れを優先的に防ぐべきでしょう。
また、企業の代表である役員には、落ちついて執務を行ってもらうためにも、外部からの音を極力シャットアウトするのが理想的です。
防音対策すべきスペース2. 会議室
会議室は、企業の方向性にかかわるような重要な会話を行うスペースです。
たとえば、重要なプロジェクトや新商品の企画会議など、機密情報が外部に漏れないためにも、とくに対策しておきたいスペースといえます。
防音対策すべきスペース3. 応接室
応接室は、クライアントなど大切な来客者をもてなすスペースです。
外部から音が聞こえてくる状態では、落ちついて会話できないことになるでしょう。
また、来客者との会話が外部に音漏れるのも避けたいところです。
防音対策すべきスペース4. 執務室
執務室は、スタッフが業務を行うスペースです。
スタッフが集中してスムーズに業務を進められるよう、働きやすい環境をつくるためにも防音対策は大切です。
役員室や会議室に比べて、重要な会話をする機会は少ないといえ、スタッフ同士の会話や電話の内容が外部に音漏れするのは好ましくありません。
オフィスの防音対策に必要なこと|防音対策の手順を考える
オフィスの防音対策を行うときは、以下の手順で考えてみましょう。
防音対策の手順1. 音の種類と発生原因を理解する
防音対策を行う前に、まずは発生している音の種類はなにか、その原因はなにかを理解する必要があります。
音の種類|人の可聴域と騒音のさかいめ
音域は周波数の大きさにあわせて、以下の7つに分類されます。
<7つの音域>
- ・超低音域(16~40Hz)
- ・低音域(40~160Hz)
- ・中低音域(160~320Hz)
- ・中音域(320~2,600Hz)
- ・中高音域(2,600~5,000Hz)
- ・高音域(5,000~10,000Hz)
- ・超高音域(10,000Hz以上)
人が音として聞こえる音域のことを「可聴域(かちょういき)」と呼び、周波数では20~20,000Hz(ヘルツ)を指します。
人の声は中音域であり、中心値であらわした場合、男性は500Hz、女性は1,000Hzほど、子どもはさらに高域にある1,000~2,000Hzほどです。
音は、上記のようなさまざまな周波数が重なりあって構成されています。
人が騒音と感じやすい音域は、可聴域のうち、31.5~8,000Hzの音を指します。
音が発生する原因|さまざまな音の伝わり方
音は、さまざまな伝わり方をします。
音の伝わり方には、前述した、物質を振動させて伝わる「固体伝搬音」と空気中に伝わる「空気伝搬音」の2種類があります。
「空気伝搬音」は障害物により、「固体伝搬音」は物質の質量の高さにより、音が減衰しやすいのが特徴です。
その特徴にプラスして、音は反射や屈折、吸収、共鳴、回折(かいせつ)、透過、干渉など、さまざまな形で異なる伝わり方をする性質も持っています。
さらに、気温が高い、低いによっても音の伝わり方は変わるのです。
オフィスの防音対策を行うときには、音が発生する原因はどこにあるのか、どのように音が伝わっているのかを把握しておく必要があります。
防音対策の手順2. 防音対策が必要なスペースの優先順位を決める
前述した「オフィスで防音対策を行うべきスペース」を参考に、優先順位を決めて防音対策を行いましょう。
費用と必要性をかんがみて防音対策を行うのが理想的です。
防音対策の手順3. 音や場所にあわせた防音対策を選ぶ
音の種類や原因、そして優先順位を考えたのちに、音や場所にあわせた防音対策を選びましょう。
防音対策1. 遮音
遮音(しゃおん)は、外部から空気を伝って聞こえる音や、オフィス内からの音漏れをシャットアウトする方法です。
遮音材は、壁やドアなどに適しています。
防音対策2. 吸音
吸音(きゅうおん)は、音の波を吸収することで小さく抑え、音が伝わるのを防ぐ方法です。
床や壁などに専用の吸音材を使用すると、防音対策につながります。
防音対策3. 制振
制振(せいしん)は、音によって起きた波で振動する時間を短くする方法です。
ゴム状のシートや制振用のシートなどがあります。
防音対策4. 防振
防振(ぼうしん)は、音の振動を伝わりにくくする方法です。
低音が伝わるのを防いだり、音が下の階に響かないようにしたりといった効果が期待できます。
オフィスの防音対策をする方法
ここからは、大規模な工事を必要としなくても、簡単にオフィスの防音効果を向上させる方法を一例としてご紹介します。
方法1. 吸音パネル
よく知られているのが、吸音性の高いパネルです。
吸音パネルを壁に貼りつけることで、不快な反響音を抑え、声が聞き取りやすくなります。
また、パーティションタイプの吸音パネルもあり、空間を仕切りつつ、防音対策を行いたいときにおすすめです。
とくに、パーティションタイプの吸音パネルは、ひとつの広いフロアを複数の部署で利用しているときに有効的です。
方法2. 吸音ブース
電話をかけるときやweb会議を行うときなどには、個室で使用できる吸音ブースがおすすめです。
専用のブースを用意しておくことで、第三者に聞かれたくない会話も安心してできます。
自分の話し声で周りに迷惑をかけることもありません。
また、折りたたみ式の卓上タイプもあり、集中力のアップや雑音の減少が期待できます。
方法3. 防音ガラス
防音ガラスは、2枚のガラスと、防音に特化した特殊フィルムでつくられたガラスです。
工事現場や幹線道路など外部からの音への防音効果が期待されています。
合わせガラスであるため、飛散防止効果があったり、衝撃物に対する耐貫通性能が高かったりといったメリットもあります。
サウンドマスキング
サウンドマスキングは、周波数を利用した防音対策です。
空調音のような背景音をスピーカーから流すことで、隣室からの音漏れなどを聞こえにくくするしくみとなっています。
オフィスの防音対策を行って快適な職場環境を目指そう
いかがでしたでしょうか?
本記事を通して、オフィスの防音対策の必要性をはじめ、音漏れの原因や具体的な防音対策の方法などについてご理解いただけたと思います。
働きやすい職場環境や機密情報の保護などを考えている方には、オフィスの防音対策は検討する価値のある手段のひとつでしょう。
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とくに、自社独自の商品である「テクセルSAINT」は、特殊なハニカム構造で中音域の吸音特性に優れており、軽くて頑丈なのが魅力となっています。
さらに、他素材と組み合わせて使用することで、中音域以上の幅広い音域においても優れた吸音効果を発揮するなど、相乗効果が期待できます。
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