2021.9.1

排気ファンがうるさいのは何が原因?有効な騒音対策とポイント

自社工場などで大きな音が出る機器を所有している場合、騒音対策にお困りの企業様もいるのではないでしょうか?

工場や事業場、建設現場では、騒音規制法に則って、各都道府県や指定地域で定められた基準に応じた対策を行う必要があります。

 

騒音対策を行うことで、従業員のストレス軽減や作業効率化を図れることはもちろん、近隣住宅への配慮にもつながります。

騒音対策を行うためには、騒音の原因を見極めた上で対策を検討することが大切です。

騒音の発生源は様々ですが、排気口にある排気ファンの音が原因の一つに挙げられます。

 

今回は、排気ファンによる騒音への対策について紹介しますので、騒音対策を講じたい企業様はぜひ参考にしてみてください。

 

 

目次

 

 

排気ファンとは

 

工場などでは油や薬品などさまざまな材料を使用している場合が多く、一酸化炭素や化学物質による中毒症状への危険性があります。

それらを未然に防ぐために、屋内にとどまる空気を排出するのが、換気システムの一つである排気口です。

 

排気ファンとは、この排気口部分に備わっている送風設備のことで、いくつか種類があります。

工場などでは主に、多数の羽が筒状に取り付けられた「シロッコファン」や、扇風機のような羽が付いた「プロペラファン」などが使われています。

 

 

どのような音か

 

一例として、ここでは「シロッコファン」のような遠心力で風を送る送風機から発生する音について解説します。

 

遠心送風機から発生する音の特性には、空気の流れによるもの、電気によるもの、機械的なものが挙げられます。

通常の運転状態であれば、空気の流れによる音がほとんどです。

 

送風機の音は、「ファンが回転することで発生する音(回転騒音)」と、「空気の流れが乱れるときに発生する音(乱流騒音)」にわけられます。

「ファンが回転することで発生する音」は、翼が通る周期的な圧力変動により発生しており、耳ざわりな音となります。

 

一方、「空気の流れが乱れるときに発生する音」は、送風機内の空気の流れが不規則に乱れることで生じるものです。

具体的には、翼の剥離や速度変動がスクロールや翼の表面にぶつかることで音が発生することがあります。

「空気の流れが乱れるときに発生する音」の場合、音が発生する原因が複雑なため、音の発生源の予測が困難です。

 

また、「シロッコファン」では、流量を一定に保つ流量調整板の開閉度や向きによってわずかな隙間がでることがあります。

隙間を通り抜ける気流から、「ファンが回転することで発生する音」が発生することがあるのです。

 

以上のように、空気の流れによる音が原因で排気ファンから騒音が発生します。

 

そのほかに考えられるのが、異常振動によって発生する音です。

たとえば、基礎ボルトがゆるんだことで発生する音や、グリス切れによる損傷、あるいはパーツの摩耗などによる振動が挙げられます。

 

 

なぜ騒音となるのか

 

騒音の原因は、空気の流れによるものと異常振動が挙げられます。

 

排気ファンが建物の外に設置されているケースであれば、そのまま排気ファン周辺に騒音が発生します。

排気ファンがダクトにつながっているケースであれば、ダクトによって特定の場所にまで運ばれて騒音として伝わるのです。

また、ダクトの配置に無理があると、局部的に大きな気流速度となり、渦流音が発生する恐れもあります。

 

 

排気ファンの騒音問題

 

工場や事業所の規模が大きければ大きいほど、使用している排気ファンのサイズは大きく、設置個数も多いため、騒音への対策が必要です。

騒音が大きくなると、従業員の仕事のしやすさだけでなく、健康被害という問題に発展する可能性があります。

 

また、屋上などに排気ファンが設置されている場合は、音が遠方まで届きやすく、近隣住民への影響も懸念されます。

排気ファンが屋内に設置されている場合でも、ダクトを通じて音が外に漏れている場合や、排気中の振動が壁に伝わる場合もあるでしょう。

 

いずれも、排気ファンからどのような音が出ているのかを確認し、専門業者に調査してもらい、原因を特定することが大切です。

 

 

排気ファンの騒音対策のポイント

 

では、どのように排気ファンの騒音対策をしたらよいのでしょうか?

 

すぐにできる方法は、防音シートの設置です。

防音シートはホームセンターなどですぐに手に入るため、ひとまずの対策として従業員だけで設置することができます。

近隣住宅との境界線や、工場内で騒音を感じている場所と排気ファンとの間に設置してみましょう。

 

防音シートの設置だけでは不十分な場合は、排気ファンを覆うように防音パネルを取り付けるか、排気口に消音ダクトを設置する方法が有効です。

排気ファン部分を完全に囲うことで騒音が抑えられますが、熱がこもる恐れがあるため専門業者に最適な設備を相談するのがよいでしょう。

 

その他に、排気ファンの部品や機器全体の交換、メンテナンスを行う方法も有効です。

ファン自体の老朽化や汚れで回転が鈍くなり騒音となる場合があるため、最新式の排気ファンへの交換や清掃を行うことで騒音が大幅に低減します。

 

 

排気ファンの騒音対策は専門業者に相談しよう

 

いかがでしたでしょうか?

 

この記事を読んでいただくことで排気ファンに対する騒音対策がご理解いただけたと思います。

原因を見極めて対策することが重要ですので、専門業者に相談し、効果的な対策を行ってください。

 

工場の騒音対策については、下記の記事でも触れています。

併せてご参考になさってください。

 

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“排気ファン・ダクトの騒音対策事例”こちら

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